Saturday, November 08, 2008

Three Kings

ジョージ・クルーニー主演の「スリーキングス」を、CSのムービープラスHDで見た。DVDではなくCSで見たのでキャプチャー画面はオフィシャルサイトから拝借したので、でっかいワーナーのマーク入りになっている。んで、この映画、1999年のものだから、ほぼ10年前の作品なわけだけど、正直めちゃくちゃ面白くてびっくりした。なんで今まで見なかったんだろう。この映画は湾岸戦争でバグダッドを陥落させた直後に、こそっとフセインがクウェートから搾取して隠してた金塊を奪取しちゃおうぜっていう「掴み」のところでプロモーションされていたので、ひょっとするとコメディ扱いだったのかもしれない。けれど中身はそんなに軽いものでもなく、戦場を舞台にするものの人間ドラマとしても立派に通用する内容を持っていて驚いた。監督を務めたデヴィッド・ラッセルが脚本も手掛けているとのこと。この人の作品は要注意だ。さらに構成と編集が秀逸だ。とにかく最初から最後までのテンポがいい。次々に物語が展開するが、政治的にシリアスな内容もこれでもかと含んであるし、現実の湾岸戦争のCNNなどの報道に慣れた自分には、アメリカと多国籍軍がイラクの人々にどういうことを与えていたのかの点について認識を新たにした。しかし、そういうシリアスな局面に真顔で「なんなんだよ、あのマイケル・ジャクソンの顔は?」っていうセリフを持ってくる脚本のセンスはすごい。そうした構成と、個々のチャプターにおけるテーマがいちいち素晴らしいので、まったく飽きることもない。映像の質も高いし、大道具も美術も、無駄なものは全然なく、かつ手抜きが無いのも見ていて気持ちいい。ビーチボーイズとか、シカゴとか、ところどころに挟まれるアメリカを思い出させるサウンドトラックの数々と、それに合わせたゆったりとした映像のインサートなど、とにかく編集の力でここまで映画って面白く出来るのかと、深く学ばされた映画だった(なんかベタ褒めだよなー)。ジョージも99年にこの映画に出演して、2002年に「コンフェッション」を初めて監督するわけだけど、このデヴィッド・ラッセルの影響をかなり受けたんじゃないだろうか。その後のオーシャンズのシリーズにも通じるエンタテイメントの方向性がこの映画からは読み取れる。

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