Thursday, October 20, 2005

Ocean's Eleven

この映画、僕が生まれた年に撮影された作品なわけだから、考えてみればぞっとするほど古い。でも面白いのはなんだろう。ディーン・マーティンしかり、サミー・デイヴィス・ジュニアしかり、とにかくシナトラ親分を筆頭に、一家勢揃いでそれぞれの芸を見せつつ、いや見せつけつつの映画なわけで、その点では今見ると「くどいよ」と言わざるを得ないのだが、当時のエンタテイメント・シーンには今のようにミュージックビデオのような音楽専門チャンネルメディアがなかったわけで、いわんやインターネットもなければiPodもない。そこからすれば、この作り方は仕方ないと言えば仕方ない。この映画を見たときのノートは、このブログの最初のエントリーにアップした参照画像の通りだが、当時最先端とされていたエンタテイメントの殿堂であるラスベガスの五大ホテルの様子がとても興味深い。ライブの場所もとても小さく、装備も華奢でどこかほのぼのする。まさに目の前で夢に見た大スターが歌うのだ。そうした少人数のハコでは、今のように数万人のどよめきに身をまかせ突き抜ける感動は味わえないだろうが、手の届く距離で拍手を送ることができる喜びが、当時は別のものとして存在していたのだなと納得させられる。思えばMTVでアンプラグドが成功したのも、そうした距離感の再現だったことを思い出す。どこか冴えない各ホテルのロゴタイプも映画の中ではレイアウトされて、はっとするほど魅力的だ。ラストシーンで「しゃーねーな」という面持ちで歩き続けるオーシャンと仲間たちの映像にそれぞれクレジットが重なる表現手法は今も色褪せない。

0 Comments:

Post a Comment

<< Home