Lions for Lambs
おおお、この映画、いきなり主要な主人公たちの興味の中心をスコスコっと描くところから始まる。映画のタイトルや、出演は誰とか監督は誰とかいうのも軽くすっ飛ばしながら折り込むだけ。これって、のっけからカツっと掴んでチャンネル変えさせないテレビドラマの演出手法だけど、映画でこういうサビ頭な感じな手法ってあんまり無かったような気がする(曖昧だけど)。監督はロバート・レッドフォード。って、監督久しぶりじゃないの?確か「モーターサイクル・ダイアリーズ」は製作だった気がするけど、前に監督したのなんがっけ?すぐ思い出すのはブラピが演じた「リバー・ランズ・スルー・イット」だけど(あれれ、すっごくいい映画だったのに、ここにエントリーしてないな…)、ダメだ。わかんない。また調べてみよう。邦題は「大いなる陰謀」。えええ?原題は「Lions for Lambs」で、直訳すると「子羊たちのためのライオン」だぜ。すげー違う印象の題名だけど、まぁこれだけのキャストの映画だし、日本じゃそんな感じが正しいものなんだろう。ちょっとこの映画とは話がずれるが、邦題しか覚えてない映画って多いわけで、海外に行ってバーとかで話していて、「あの映画のあのシ-ン」って言うときに、その映画の名前そのものが通じないというか、キャストの名前とか主題とかを言って、相手が「おー、それは何々だね」とか言われても「その映画の題名ってそうなんだっけ?ううう…わかんねー」みたいになる事があって、かなり恥ずかしい経験をしてきてる。っていうか、そもそも映画を字幕抜きでネイティブに鑑賞できるだけの英語力がないってのが問題ってことは重々承知してるケド、ずっと東京に住み続けてる限りは、それは無理だわん(ネイティブのステディでも出来れば別かもしんないケドね)。話を映画に戻すが、内容は「大いなる陰謀」というものではなく、まさに「子羊たちのためのライオン」だった。今のアメリカ映画は、VFXだらけのアクションやファンタジー映画と、こういうテーマに始終する社会派の作品に分かれるということか。これはアメリカの戦没者たちへのオマージュだ。陰謀はある。でも物語は子羊側に立ったところからの気づきを促す。映画が始まったところで数種類の書類に記されたデータが提示されるが、映画が終わってみると、これがちゃんと帰着している。データで世の中を見る人(いち早く見れるひと)が権力を持ち、国益という名の名目の下に物事を決めているが、それは子羊たちにとってどうなのか…。子羊たちは、黙々と「現場」にいて、悶えながらも、ささやかな小さな夢を成そうとし続ける…。脚本は製作も兼ねてのマシュー・カーナハン。この作品とほぼ同時期に「キングダム」も作ってるが、どちらも深さがあって記憶に刻まれる感じがする。メリルが素晴らしい。彼女は女優ぢゃなくて大女優だな。それにしてもアメリカの抱える闇は暗い。「Bobby」もそうだがアメリカは出口が見つからないままに悶え続ける怪物だ。一方で中国とロシアがアメリカよりも巨大な怪物になろうとしている。日本を含めた先進国は、その巨大化への成長に為すすべも無い。なぜなら自分たちの維持に彼らの成長が必要だからだ。世界中が悶えている。
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