Thursday, November 03, 2005

THE PELICAN BRIEF

ジョン・グリシャムの原作は読んだ。それを読むに至った経緯やその本を手にした時の記憶は大切で忘れられない思い出ではあるが、ここでは映画のことを書こう。正直、ダービ-役がジュリア・ロバーツだというキャスティングを知った時にどうなのかなぁと思った。僕のイメージではもっと知的であって欲しかった。ジェニファー・コネリーあたりのイメージが近い。美しいけれど滑稽さも持ち合わすジュリア・ロバーツはどちらかと言うとユーモアの入った役が似合うと思っている。原作のダービーは芯に強さは持っているが一見すると逃亡劇など考え付かないようなか細い女である。そこを聡明さのみで抜け切って行くさまが原作の面白さだった。なによりジュリアは老けすぎていてとても大学生に思えない。キャラハン教授のサム・シェパードは外していない。僕のアタマの中でのイメージは今ほど年老いていないクリント・イーストウッドだった。原作ではグランサムを黒人として書いていなかったように思う。デンゼルも悪い役者ではないが、彼は違うと感じた。欲を言えばトム・ハンクスだろうか。そんな違和感を持ったまま映画を見始めてしまったためだと思われるが、今思い出そうと思うのだが、どうも映画の中身を覚えていないので再度見直してみたが、どうも原作との比較で見てしまう。キャラハンが爆破されるのはフォードだがポルシェじゃなかったっけ。しかし恋人が目の前で爆死したときのジュリアの演技は最低だ。演技力のない女優の典型の演技を見るようでもある。悪賢い補佐官を際立たせるためとはいえ大統領をここまで馬鹿に描く必要もないだろう。衣装も悪い。意識的に通販の服っぽくしているのかもしれないがセンスが悪すぎる。美術も駄目だ。目を引くような美しさがない。カメラワークも特筆する部分はないしシネスコの良さをまったく生かせないレベルで、テレビドラマを見るような印象はそのせいかもしれない。結局のところ音楽も編集も何かを見出すモノがなかった。記憶に残らないのは仕方ないのかもしれない。

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