I am Legend
「レジェンド」って普通に日本語になったよね。「アドバンテージ」とか「オファー」とか「レバレッジ」とか、広告やメディアで訴求されて日本人の耳にも意味が分かる感じになった単語って少なくない。そういうことももう一回復習しなきゃなぁ…、とか思いつつ、この映画の砲台、ちゃう邦題も英語でのタイトルどおり「アイ・アム・レジェンド」。んで、昔から、こういう細菌などで人間が突然変異してゾンビ化して人類が滅亡しそうになり、主人公がなんとか生き抜くっていうプロットの映画ってかなりあったように思うんだけどどうなんだろ。ホラー系に分類される映画って詳しくないし、そもそも気持ち悪いから見たくないし…って感じだけど「28デイズ」みたいなのも、そういう企画のひとつだろか。そんな中でこの映画がちゃんと製作されていることに軽い驚きを感じざるを得ない。そういえばスティーヴン・キングの「セル」も夜は動かないゾンビたちとの攻防っていう感じで同じような設定だった。この映画の原作はリチャード・マシスンの「地球最後の男」。過去に二度も映画化されているのに、もう一回掘り起こして映画化したわけだ。なんせ「地球最後の男」なわけだから、映画化するにしても、もう主役俳優の独演なわけで、前の映画化ではチャールストン・ヘストンだったようだが、今回はウィル・スミス。しかしまぁ、脚本がひどいのには別の意味でびっくりした。特に後半、主人公のロバート・ネビルが、突然現れた女性に、田舎の方に生き残った人々の共同体があると言われて、「なぜそれを知ってる?」と聞いたら「神からのお告げよ」って答える。このセリフ、ありえないぜって思ったのは僕だけだろうか。さらにそのコミューンは朝出れば一日で行けるところにあると言う。なんやねんそれ。全然地球最後の男じゃないじゃんよ。確かにメトロポリタンで釣りをしてたり誰もいない朽ち果てていく途中のNYCは壮観だったけど、それが何を生み出したかって言うと何もなかった。僕はシェパード犬のサムが素晴らしかったと思う。愛おしくて主人公の涙はすごく胸に来るものがあった。ネビルがゾンビの罠にかかってぶら下がっちゃった時、あんな風に心配してくれたりするんだよね…犬っていういきものは、っていう感じで、なんか胸が熱くなった。人間って、見た目を飾ったり、言葉でごまかしたり、嫌いでも好きなフリしたりと、心の中の本当の気持ちを見せないいきもの(まんま見せたら袋叩きに会うっていう社会だし)だから、余計に、そういうものを持たずに人間と仲良くしたいっていう犬の持つ純真さが、今の僕には重たいものに思えてならない。
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