Tuesday, February 28, 2006

LEGENDS OF THE FALL

「セブン」直前のブラッド・ピットとアンソニー・ホプキンス。後に「ジョー・ブラックをよろしく」で組んで独特の重みを映画に与えることになる彼らの共演に期待して観る。映画の始まりが美しい。画面に向かって息を吸い込みたくなるような澄み切った大気が伝わってくる。舞台が森にかこまれた清浄な場所であることがよくわかる。そうした心洗われる雄大な景色に重なるように年老いた男の語りが始まる。母のイザベルが家を離れるとき、見送る男たちの背広姿に見惚れた直後に、家の前に広がるモンタナの雄大な自然の絵は本当に素晴らしい。1994年アカデミー賞の撮影賞に選ばれし映像とはこういうものだろう。そしてその自然が美しいだけではなく牙を持っていることも恐ろしく巨大な大熊の登場で知る。大佐が送った手紙に返事を書くイザベルの部屋の家具調度や彩られた色彩感にも目を奪われる。その部屋を見て、以前ロケで訪れたボストンで、政府の管理下にあるために、どうしても撮影に借りることが出来なかった元将軍の自宅を思い出す。またニューヨークのメトロポリタン博物館のあの中庭から入りロイドの家で終わる徹底したアメリカ様式の集積が続く回廊も思い出す。そうした記憶と照らし合わせてみても、この映画が完璧な時代考証とその再現を基盤にしていることがわかる。監督はエドワード・ズウィック。彼の「アイ・アム・サム」や「ラスト・サムライ」はどちらも好きな映画だ。導入から序盤は、あまりに美しく平和。幸せな家族の肖像を描くのであればこう描けというお手本のような構成を見ることができる。三男サミュエルがスザンナを連れて帰郷するところから本筋の物語が始まるが、それ以後も屈託のない絵に描いたような幸せが描き続けられるが、その度が過ぎるほどと思う幸福感は、早々にそれが崩れていくのであろうと予感させるに十分で、観客の興味を次の展開へと進ませる。映画の内容について深くは語るまい。数多くの生と死が描かれ、数多くの想いが交錯する。それを常に雄大なモンタナの自然は見守っている。このタイプの映画は、静かに観て味わうしかないだろう。脚本、演出、美術、衣装、撮影、そして俳優たち。すべてに欠けるところがなく、完成度がとても高い作品だ。自殺したスザンナを埋葬したあとトリスタンに言うアルフレッドの「私はルールに従って生きてきた。お前は何事にも従わなかった。しかし皆はお前を愛した」と言う言葉が印象深い。複雑だが深い感動を覚える作品だった。

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