Gone in Sixty Seconds
邦題は「60セカンズ」。主役はニコラス・ケイジ。製作はブラッカイマー。クライム・アクションというカテゴリーらしいのだが、アクションってなんて訳したらいいのかな。犯罪活劇とでも言えばいいのだろうか。ブラッカイマーのモーションロゴが道路に落ちる稲妻だからか、そこからにゅわーとグラフィックで始まる最初のタイトルバックは、カッコイイ風だけど今ではモロダサ系に思えてしまう。でもその後の部屋のクローズアップを舐めるように動く場面は、映像も美しいし音楽とカメラの動きがぴしっと合わせてあるのが気持ちいい。こういう気持ちよさは基本ということだ。おっとジョヴァンニ・リビシがキレたところを見せる。そうか「ヘヴン」の前にこういう映画に出てたのね。彼の存在感って独特だけど素晴らしいものがある。こういうのを持って生まれた才能って言うんだろう。予想通り、ニコラス・ケイジはちょっとしょぼくれた状態の役柄で登場する。途端のセリフが子供に向かって「自制心。想像力。そして決断力。これを忘れるな」。いい言葉だ。その後の展開は、弟が仕事をミスる。その開けた穴を兄貴が埋めないと弟は殺される。しかしその穴は巨大で、不可能に近いことをやってのけなければ到底埋められそうにない。同時に兄貴には過去があり昔の敵もいる。だが、やらにゃならん。やってやるぞ、と言うわけだ。しかしまぁ、これだけシンプルな話を二時間飽きさせずにぐいぐいと引っ張れるのはさすがと言わなきゃならん。物語は本当に単純。枝葉もあるが、余計な伏線は一切ない。登場人物のパーソナリティも、キチっと分配されて、ものすごく明快。その上、それぞれ設定されたパーソナリティに合ったキャスティングも見事だ。脚本は特別に秀逸ということはないが、基本はまったく外していないし、物語を前に前にと推し進めていく。俳優たちも与えられた役柄を外さずに演じていく。僕はこの映画を見て初めてブラッカイマーが持つ力がどういうものを基本に置いているかを一段強く理解したように思えた。なるほどね。
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