Confessions of a Dangerous Mind
ありえないでしょっていう話を、そのまま、ありえないかもねっていうトーンで作るあたりがジョージ・クルーニー風っていうことになるのだな、と気づいたのは、彼が製作に関わった「Ocean's 11」を見たからかもしれない。この映画はクルーニーが監督した初めての作品なのだそうだが、むちゃくちゃ頑張ったんじゃないだろうか。物語は設定自体がどうなのっていう物語なので、そこの追いかけはもうどうでもいいと思ってしまったからかもしれないが、絵作りにばかり眼が行く感じで見てしまった。ノンカットで延々とフィルムを回しながら場面を展開していくところは本当に興味深い。見物客を案内するエントランスでの長回しや、番組収録スタジオでの長回しなど、合成のようでベタ回しで作られていて、その作り方が独特のリズムを醸し出していてとても興味深い。撮り方というよりもセット設計がすごいと言うべきか。社長に電話をしながら歩いていくと奥に電話を受けている社長室がある、というスタジオセットの発想はまるで紙芝居のようですごく面白い。個人的には「ER」のジョージが好きなのだが、こういう意味不明な役で登場するのも彼の味のひとつだろう。ジュリア・ロバーツがキレた演技で出てきた時あたりから、もう映画を見ているというのではなくなってしまった感があった。でも美術は面白い。サイケなタイポグラフィや当時のファッションは演出資料としては完璧な部類に入る。時代がハッキリしているからリメイクすると面白い絵が作れると思われる。
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