Friday, November 11, 2005

THUNDERBIRDS

自分でもホント馬鹿馬鹿しいと思っていながらも、実写版でのペネロープのピンクの車が見たくて仕方なくて「サンダーバード」を観てしまったのだが、結局、やっぱり僕は昔の糸で釣られてひょこひょこ歩くパペット版の方が全然いい。映画は徹底して子供向けに作られている。子供たちが感情移入しやすいように思春期の子供たちがヒーローになるという映画作りになってしまったのは残念だ。それにこの出来では続編は難しいのではないだろうか。その気になれば「スター・トレック」のように大人の映画にも出来たように思う。物語の突飛さで言えば「007」シリーズにも匹敵するわけだし、有名度という意味ではジェームス・ボンドやバットマンやらスパイダー・マンに負けはしない。それに「謎の大富豪」という設定もあるわけだから、そもそもトレイシーには謎が多いわけで、この映画の中でも「お母さんのことを話して」という場面があるように、そのあたりからでも、どうにでも描けただろうに…と残念なわけだ。興行収入を考えるとこうなってしまうのか。単にプロデューサーたちの力量不足か。いずれにしろ無茶苦茶中途半端で悲しい。唯一許せるのはペネロープのピンクづくしの衣装とネイル。これは当然全部映画用に作られたものだと思うが、それなりに見ごたえがある。それ以外は徹底的に悲しい。宇宙船内部のセットも悲しい。意味なくロンドンブリッジの下をくぐる演出も悲しい。さらにロンドン銀行の金庫のセットのお粗末さもものすごく悲しい。それぞれのサンダーバードの操縦席の操作パネルデザインのお粗末さも悲しい。ていうかそもそもあんなどデカいキャップ型のロケットがすんなりロンドンに着陸するわけもなく悲しい。さらにあの「ガンジー」で惚れぼれしたベン・キングズレーが得体の知れない敵役を演じていることが悲しい。さらに彼のスタッフがたった二人というのも悲しいし、悪役たちが来ている衣装というか甲冑というかあたりも悲しすぎる。トレイシー島の遠景描写はCGで取り繕っているが中央制御室の内装や説得力のない金属の質感がかなり悲しい。さらにトレイシー宅の設計も洗練されていなくて悲しい。さらにペネロープがカンフーで頑張るリビングのインテリアに見る美意識の貧困さがたまらなく悲しい。極めつけはプールサイドでのパーティ。プールではしゃぐ子供たちのトランクスのダサさに加え、食べているのは典型的なアメリカン・バーベキュー。おぉ、おぉぉ、と、とにかく目に映るものすべてがお粗末で、悲しいばかりの時間だった。被虐的に時間を過したくなった時にこの映画を見直すと元気が出るかもしれない。

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