Thursday, February 16, 2006

Bridget Jones's Diary

続編を見る前に第一作を見なければという事で見始めたが、なんていうか女が喜ぶコンテンツという切り口で考えられることをすべてを盛り込んでみました…という前半にはちょっとまいった。チャカカーンの歌声は懐かしかったが、いきなり結婚式の夢想だし、それもいきなりヒュー・グラント。モテ夫が来たよって感じ。ひと昔で言えば「シャンプー」の頃のウォーレン・ビーティってとこか…と爺臭い連想が走る。「モーリス」のヒューはどこ行ったんだ。それにしても徹底的に英国調に寄せていくあたりが散見されて面白い。俳優たちの発音は完全にキングスイングリッシュだしクリケットやフットボールなど英国のスポーツしか出てこない。ホームパーティもキーマ・カレーでバーベキューじゃないあたりも同じだろう。女性たちの憧れのカタチを盛り込んだワンシ-ンかと思われるが、メルセデスに乗って郊外に遊びに行く場面はロンドンでなければ絵にならない。東京もニューヨークもこういうシーンは似合わない。そういえばヒューがオフィスで口走る「彼女はアメリカ人だから強そうで…」という台詞にはニヤリとさせられる。これはヒューだけでなく多くの人がマンハッタンキャリアたちをそう見ている前提であり、ブリジットはその逆ですよと明瞭にする脚本の魔術だろう。中盤にヒューは一度すぱっと消え、これまたキャリア女を伴った英国調のモサ夫がクローズアップ。なんかコリン・ファースって印象が薄いのだが、それは僕だけだろうか。突然テレビキャスターになったり、誕生日に自宅で料理作って友達を招くという行動に出るあたりも、とにかく女がやってみたいと心に思うことをひとつづつ実現しているようにも思われる。クイジナートで悪戦苦闘するあたりの描写にもそうだが美術と小道具が英国的に徹底していて興味深い。マークの家は貴族のお城であり、調度品やクリスマスの飾りつけが勉強になる。個人的にはダニエルのロフト型の自宅がすごく惹かれる。あれだけの本が置ける家はまさに夢。階段にかかっている絵などの趣味も悪くない。しかしレニー・ゼルウィガーは間違いなく太っちょなのだが、綺麗なのかブスなのか微妙なところで不器用な女をキチっと演じていて素晴らしい。この映画はこういう女心のリアリティがあるから成立する。いつのまにか物語の中で切り札を持つのがブリジットに移って行く脚本の組み立ては素晴らしいが寂しい母親と無骨で不器用な父親を描きこむあたりはオマケかな。で、結局ハッピーエンド。なんやねんそれと言うのが本音でどうしようもない。

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