Modigliani
よく考えると僕はモディリアーニの絵は知っているが、彼のことは何も知らないに等しい。ラウシェエンバーグやウォーホールのようなポップアートの面々がどのような生きざまをしてきたかは時代が近いこともあって十分ではないが知っている。けれどその前の世代となるとピカソ、セザンヌ、ダリぐらいしか詳しい生きざまを知らない。もちろん作品を見ればこれは誰あれは誰と作家の名前は挙げられる。でもその作家の人生がどのようなものだったのかと問われると答えに窮してしまう。いっそミケランジェロやダヴィンチのようなルネッサンスの人たちの方が良く知っているのかもしれない。もちろん芸術は作品が多くの事を語りかけてくる。それがすべてだとも言える。だが作家の人生を知らぬより知ったほうが作品は輝きを増す。そんなことを思いながら見始めた途端に「この映画は実在した人間も登場するが全部勝手に脚色したものです」と表示されて出鼻をがつーんとくじかれて、しょぼーん。「バスキア」のようなものは期待するなということか。了解。そういうつもりで見ることにしよう。おわ。いきなりピカソですか。似てねー。モジもすぐ登場するが、なんでアンディなのよという感じ。少なくとも実在の登場人物たちのイメージはすでに脳裏にあるわけで、これはもう視点を完全に変えて見た方が良さそうだ。映画はブルジョアと食えないものたちとの対比をきちんと描いている。また、パリの街並みの色彩はまさにユトリロの絵そのもので、ぞっとするほど美しい。ヨーロッパ的な街の色彩やマチエールを確認したければこの映画は素晴らしく機能する。残念ながら用事があって最後まで見ることが出来なかった。いつか落ち着いた頃にまた見直して続きを書こうと思う。
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